誕生日おめでとう!

昨夜、エズラは修理に出していた車を取りに行く僕に付いてきた。僕がカウンターで立ち話をしながら支払いを済ませている間、エズラは整備士が車をガレージから出してくる様子を静かに見ていた。エズラは少し頭をかしげ、上目遣いで顔を前後に動かしている…これはお決まりの、「何か言いたげな表情」だ。

エズラは典型的な男の子だ。彼は道具や機械や油まみれになる仕事にまつわること全てが大好きな子供だ。彼はおそらく、あの整備士に「工事する人」の話をしたいのだろう。例えば、「ぼくも自分のどうぐばこもってるよ」とか、「車のしゅうり、てつだおうか?」とか。あるいは、「じょせつき(除雪機)、もってる?」と聞きたいのかもしれない。

しかしエズラは、黙ったままだった。静かに美味しいキャンディーの姿をしたブドウ糖果糖液糖のかたまりをペロペロ舐めている。しかし、僕たちが店から片足を踏み出した途端、彼はさっと中に駆け戻り、整備士に向かって、喉まで出かかっていた想いをついに打ち明けた。

「あしたはね、ママの誕生日なんだよ!」

整備士は笑顔を見せ、彼の手にもう一つ、甘ったるいキャンディーを持たせてくれた。その瞬間、僕はキャサリンの誕生日の重大さに改めて気付かされた。それは「工事する人」のお話よりも、大切なことなのだ。

そういう訳で、僕はキャサリンの誕生日のお祝いに、皆さんにもぜひ加わって頂きたいと思っている。キャサリン本人の代わりに、ぜひケーキなりアイスクリームなり、自分で何か美味しいものを食べて祝って欲しい。

僕は最近、彼女の人生の尊さを、今まで以上に実感している。そして、彼女に僕の最大の敬意を表したい — まるでギムリがガラドリエルに出会った時のように。しかし残念なことに、キャサリンはロード・オブ・ザ・リングを読まないので、この褒め言葉はきっと伝わらないだろう。

キャサリン、君は28歳にして多くの困難を受け入れ、乗り越えてきた。2人の子供を育て、3人目をお腹に宿しながら、2度目の癌と戦った。それに加え、家族で世界の反対側に移住するための準備に時間と労力を費やし、他の母親たちなら時々持てる自由な時間すら、犠牲にして尽くしてくれた。ミネソタで君の誕生日を祝うのは、今年が最後になるだろう。次の誕生日はきっと、馴染みのない国で、新しい言葉と文化と地理に慣れようと四苦八苦しながら日々過ごしているはずだ。

君が多くの犠牲を払ってくれていること、忍耐強い愛を示してくれていること、そしてここ数年で君が素晴らしい女性へと変えられていく様子を目の当たりにし、そのことを僕は神に感謝している。主が、君の誕生日、そしてこれから先の人生を特別に祝福してくださるように。そして、良い行いに飽くことがないように。あきらめずにいれば、主の時に、豊かに刈り取ることができるだろう。

誕生日おめでとう!